SSブログ

春彼岸 柴又 [新隠居主義]

春彼岸 柴又
 
IMG_0809.JPG

 昨日は春彼岸の墓参り。母が存命の頃は墓参りの帰りには柴又の帝釈天に寄ってお参りしてそのあと「ゑびす家」でうなぎを食べて帰るのが習わしみたいなものだった。それが母が他界してその母の墓参りをする今になってもなんとなく続いている。

 その時々によってお参りの後に寄っていただくのは「ゑびす家」のうなぎか「大和家」の黒い天丼かのどちらかなのだけれど、最近は、まさにうなぎ上りで途方もなく値上がりしてうなぎの敷居が高くなっている…けど、昨日は思い切ってうなぎ。まぁ母の供養に…、などと言いながら結局は自分の口がかわいいのだ。

IMG_0823.JPG
 一昨年の大晦日のテレビの「孤独のグルメ」特番では五郎さんがここ「ゑびす家」から中継していた。最近はうな重自体とんとご無沙汰だけど、ぼくは此処のうな重が一番好き。ほっこりしてたれの味も濃すぎずちょうど良い。母を連れてきていた時はいつも店の奥の小上がりの座敷に座ったのだけれど、カミさんと二人の今はテーブル席だ。
 
 IMG_0825.JPGIMG_0819.JPG
 IMG_0820.JPGIMG_0827.JPG
 
 昨日は週末の上何かのイベントもあるようで帝釈天の参道は結構な人出。見たところ半分以上は外国人の観光客のようだ。聞こえてくるのは殆ど日本語以外の言葉。近くの駐車場に観光バスが止まっていたのでそれに乗ってきた人たちもいるのかもしれない。

 いわゆるインバウンドを目当てにしたものか、以前はなかった食べ歩きの串に刺したうなぎや卵焼きなんかも売っている。賑わうこと自体は良いのだけれどトラブルもありそうで、いつも寄るちょっと気の利いた小物を売るお店の店先には今日は「お店の中には入れません」という看板がかかっていた。週末の混雑する時だけかもしれないけどいつも店内を覗くのを楽しみにしていただけに残念だった。

 最近はオーバーツーリズムが問題になっているけど、他の商店への迷惑も考えず安易に儲けようという商法にも問題はあるので、商店街など地域で解決すべきなのだろうが…。帰りは大徳で佃煮を買って帰る。佃煮は大徳の斜め前の今は改装中の丸仁の佃煮が老舗で美味しいのだけれどお値段が大分違うので、家で気軽に食べられる値段でしかもそれなりに美味しい大徳で何種類かを買ってくる時が多い。まぁ、車を運転してこそできるこういう墓参りスタイルを出来る限り続けたいとは思っている。
 

IMG_0812RS.JPG
 

j0394984.jpgInkyoismlogo.gif 


 *人出は多いけれど観光地化して滞在時間が短くなったせいでじっくり腰を落ち着けて食事するゑびす家のようなお店は敬遠されるのか、参道の茶屋などは混んでいたのにゑびす家は昨日食事した時はお客はぼくらだけでした

 **柴又の記事をはじめてこのブログに載せたのは2005年の年末でした。それからもう二十年近くも経ってしまいました。当時の記事のレスポンスやコメントを見てもかなりのブログアイコンが空白になっており時間の経過を感じます。

 
and also...
 
歳末の決まり事
 


nice!(53)  コメント(10) 
共通テーマ:アート

LPレコードを洗濯する [新隠居主義]

LPレコードを洗濯する
 
IMG_0709bRS (編集済み).JPG
 
 この間ブックオフで買ったローズマリー・クルーニーのLPは歌も音質も素晴らしかったのだけれど、聴いていると時々プチプチ音が聞こえる。レコードの盤面に傷などがあると、スクラッチノイズと言ってボツッとした比較的大きな音がするけれど、それに対して小さめだがプチプチやピシッと言ったような音がして気になることがある。

 それは静電気だったり、盤面の溝に埃や汚れがあってそれが原因でそういう雑音がすることが多い。今回も目立った傷は無いのだけれどやっばり溝に汚れや埃がたまっているようだ。それらは通常のブラシやスプレーなどのメンテナンスツールでは取り切れないので、昔は中古レコードを買ってきたときは必ずレコード盤を中性洗剤で「洗濯」してから、通常のメンテナンス作業をするようにしていた。盤面の傷はどうにもならないけど溝にたまった埃に起因する雑音はそれで殆どなくなる。

 今は大手の中古レコードの専門販売店は最近のクリーニングマシンを使って洗浄してから店頭に出すらしいので比較的盤面もきれいだけど、ぼくが買った店はどうやらそのまま出しているようだ。昔は自分でやる時は「洗濯」の際盤面中央のレーベルを濡らさないように気を使ったけれど、今は写真のような「ラベルプロテクター」なるものがあるので、それでラベルのところを両側からカバーすれば濡れずにすむというわけだ。(ということは、今でもLPを洗濯する人がいるということか)

 
IMG_0707(1).JPG

  中古レコードの「洗濯」は中性洗剤とぬるま湯で丁寧に洗うことにしている。溝の掃除は昔も盤面の溝に届いてなおかつ盤面を傷めない、髭剃り用のシェービングブラシを使っていたので今回もそれを使って泡立てて洗う。洗ったら繊維が極細なマイクロファイバーのクロスでふき取り乾かす。乾いたら盤面ブラシと静電気除去などのスプレーで通常のメンテナンスを施す。これをしないと我が家の場合猫がいるので盤面やターンテーブルの静電気が猫の毛を吸い寄せ無残なことになる。(下の最後から二枚目の写真でも既に一カ所猫の毛が落ちている…w)

 「洗濯」して乾燥後、再生してみたら全くと言っていいほど雑音が気にならない快適な状況。もろちん誰にでもお勧めできる方法ではないかもしれないが、これからも中古レコードを買う時は昔のように傷だけをチェックして、買ってから盤面を「洗濯」するようにしたい。現在のレコード市場は99%が中古レコードの市場なので中古レコードを甦えさせるテクは大事だと思う。

 というか、できれば汚れて安くなっている掘り出し物をみつけたいなと。働いている頃はノイズやハウリングなどの対策や聴くたびのレコード面の手入れなど鬱陶しく感じていたけれど、時間が出来た今はそれが大好きなアルバムの別格な聴き方への厳かな儀式のように感じている。
 
 [ぼくのLPレコード洗濯法]
①ラベルプロテクターでラベルを覆って濡れないようにする。ラベル保護だけでなく、盤面を洗う時の持ち手の役目も果たし盤面を持たずに作業ができるので傷をつける心配がない。
②シェービングブラシのような少し腰のある毛質のブラシに中性洗剤をつけ泡立てて盤面を溝に沿って円を描くように洗う。溝に入っていた埃などを浮かせて流す感じ。歯ブラシなど硬いブラシは盤面を傷つけるので向かない。最後に洗剤が残らないようにぬるま湯でちゃんと洗い流す。
③よく洗ったマイクロファイバークロスのような柔らかく吸水性のある布で水気をふき取る。
④ブックスタンドなどに立てかけて乾燥させる。その際再度埃が付いたり、盤面に傷をつけないように気を付ける。
⑤クリアトーン558のような静電気除去、クリーニング機能のスプレーをかけクリーニングブラシで盤面を拭いて仕上げる。よくLPをターンテーブルに載せて回転させたままブラシングする人がいるが、トルクの強いダイレクトドライブでも一カ所に力を加えるのはモーターの偏芯の原因になるのでぼくは避けている。
⑥ピカピカの一年生の誕生。


IMG_0708 (編集済み).JPGIMG_0709 (編集済み).JPGIMG_0710.JPG
IMG_0711 (編集済み).JPGIMG_0712.JPGIMG_0713.JPG
 

MP900402846.JPG
Inkyoismlogo.gif
 

 *上の6枚の写真の一番最初の写真では11時の方向に少し汚れが目立っていますがこれは通常のブラッシングなどでは取れなかった汚れですが「洗濯」の後ではきれいになくなっています。

 以前のLPレコードはラベルの部分が紙だったものもあったりして水に濡れると剥がれたり破れたりしてしまう恐れがありました。

 またレコード自体が貴重なものでしたからそれを「洗濯」で丸洗いするなどのことはタブー視されていて、当時友人からも言われれたこともありますが…。

 今のほとんどのレコードのラベルの部分は紙ではなく剥がれもしないのでプロテクターが無くても良いようなものですが、そこはぼくも昔の感覚を引きずっていて汚したくないと…。プロテクターが売っているという事はぼくみたいな人がいるということですね。

  LPレコードの手入れの仕方は他にもお化粧パックのように盤面をパックして埃などを剝がしとるという方法もありますがLPの枚数が多いとコストがかかりそうです。ご紹介したのはあくまでぼくのやり方なのでご参考程度に…。
 
 

nice!(53)  コメント(8) 
共通テーマ:アート

ノスタルジック・オーディオ [新隠居主義]

ノスタルジック・オーディオ
 
IMG_0661RS.JPG
 
 以前、置く場所もなくなって持っていたLPレコードはすべて処分して、今はCDとiTunes経由の再生で聴いていて特に不満はなかったのだけれど、最近レコードがなんか無性に聴きたくなった。でもLPは手元にもうないし、第一肝心のレコードプレーヤーもとっくに処分してしまったので…。

 と思っていたところ最近、以前から密かに欲しかったREGAのレコードプレーヤーなら今のスペースにでも置けるという事が分かったので思い切って手に入れた。REGAのPlanar3は音を出すのに最低限必要な機能しかついていないのだがそれも潔いし、音質のためには妥協がないところがいい。

 カートリッジはやはりREGAのExactをつけた。音を出してみてその豊かで温かい響きに久しぶりにレコードの香りを思いださせられた。とくに中低音の豊かな響きはやっぱりCDとは一線を画している。また同じイギリスということでもう50年近く使っているTANNOYのスピーカーとの相性も良いようだ。
 
IMG_0635RS.JPGIMG_0633RS.JPG
 
 何とか念願のブツを手にしたのは良いのだが、ところがどっこい、手元には一枚のLPもない。で、昨日慌ててジムの帰りにその近くのブックオフに中古レコードを探しに寄った。ネットでブックオフのその店舗でも中古のLPレコードを扱っていることを確かめてから行ったのだけれど、なかなか見つからない。店員の女性に「LPレコードはどこですか?」と聞いたら「あ、あの絵の出るやつですね」と…絵なんかでねぇし。レーザーディスクと間違えている。

 LPレコードのなんたるかをちょっと説明すると店の端っこの見えにくいところに連れてゆかれた。狭い幅の棚二段分くらいにLPレコードが申し訳程度に置いてあった。値段はどれも一枚500円。在庫枚数が少ないのであらかた目を通して良いのを二枚発見した。一枚500円というのはこのプレーヤーを買うために有り金をはたいてしまった今のぼくにはなんともありがたい。

 一枚はローズマリー・クルーニーのアルバム"With Love"。1981年のLPだからロージーが歳を重ねて一番味がでて来たころのアルバム。ロージーのアルバムはCDで結構持っているけどこれは持っていないのでラッキー。家に帰って盤に針を落とすと(良い表現だなぁ)やっぱりwifi経由とはレベルの違う音。彼女のマイクの位置もビブラフォンにいたっては鍵盤の位置まで感じられる。

 もう一枚はイ・ムジチの演奏するヴィバルディの「四季」これは昔もLPで持っていた名盤でバイオリンのフェリックス・アーヨがメンバーだったイ・ムジチ全盛の頃の録音盤だ。力強い弦の音がグイグイ迫ってくる。またオーディオの沼にはまりそうだなぁ。まぁ、楽に出歩けるようになったらまたお茶の水のオーディオユニオンあたりで中古LPの極安掘り出し物を探しに行くのもリハビリの励みになるかもしれない。
 

IMG_0637RS.JPG
 

MM900205401.GIF
Inkyoismlogo.gif
 

 *今また再評価をうけている、アナログなオーディオや写真における銀塩フィルムなどへの傾倒は多分にノスタルジックな要素を含んでいるとは思いますが、一方その中にデジタルが切り捨ててきた何かを人間の感性が感じ始めているという側面もあるような気もします。

 それが何かはぼくにはよくわかりませんが、もしかしたらそういうものがAIやディープ・フェイクに対抗する人間に残された感性的な能力に繋がってゆくような予感もしています。

 
and also...
 



nice!(45)  コメント(6) 
共通テーマ:アート

Blue or Pink 認知症テスト [新隠居主義]

Blue or Pink 認知症テスト
 
IMG_0605RS.JPG
 

 今年は運転免許更新の年なので、今回は更新前に認知症のテストと実車教習を受けなければならない。特に認知症のテストは今回が初めてなので心配だったけど先日受けてきた。

 東陽町の試験場は当然だけれど75歳以上の高齢者ばかり。てきぱきとした女性の係官の試験会場での試験についての説明のイントロで、
「これからの説明で何かわからないことがあったら手をあげてください」といった途端に挙手があり
「テストはどうやってやるんですか?」の質問。
「それをこれから説明するんですよ~」 会場から失笑の笑い。年寄りは気が短い。

 実はぼくは若いころからワーキングメモリー、短期記憶が苦手で初対面で紹介された人の名前もすぐ忘れてしまったり、暗算の引き算が苦手という事で、どうやらそういう能力を問われるらしい認知症テストは心配だった。

 当日のテストのメインは4枚一組になった絵を4組合計16枚の絵を見せられて、それを覚えるというもの。覚えた後に、一旦記憶を忘れるように他の問題をやらされて、それから思い出して解答するもの。幸いぼくはヒントなしで15枚、ヒントありで16枚全部を思い出すことができたのでよかった。

  事前に警視庁のホームページでこの認知症テスト問題の解答用紙サンプルを見ていたので慌てることなく助かった。試験が終わった後採点が行われて結果の発表。ブルーの書類を貰えれば合格。ピンクの書類を貰ったら不合格。不合格なら再度挑戦か医者に認知症じゃない証明書をもらわないと更新できないということらしい。とりあえず合格。

係官の注意事項も高齢者向けの雰囲気満点。
・解答用紙に答えを書くときは絶対に声を出さないように。たまに答えを独り言を言いながら書く人がいます。
・解答用紙をめくる時は絶対に指を舐めてめくらないように。どうしてもめくれないときは手をあげれば係官が行ってめくってさしあげます。(後で解答用紙は係官が採点するので感染防止のためです)
・のどが渇いたり咳が出たりする人のために飲み物とアメは机の上にだしておいていいです。

 あとは来週の実車教習をうければ更新なのだけれどなんとも面倒だが決まったことだからしかたないなぁ。
 


animated-car-image-0035.gif
Inkyoismlogo.gif
 
 *ヒントありでも全然答えられないとちょっとまずいらしいです。普通の年寄りの物忘れは記憶そのものがなくなってしまうのではなく、その記憶を引き出す機能が鈍くなっている、つまり引き出しの中には記憶がちゃんと入っているんだけれど、それを正しく引き出すいわば見出し、インデックスの機能が鈍くなっているわけで、ヒントがあれば引き出せるというわけです。それが本格的な認知症になってしまうと引き出しの中に記憶自体が入っていなかったりして…。なんか他人ごとではないなぁ。
 


nice!(42)  コメント(8) 
共通テーマ:アート