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Suddenly it's Summer [gillman*s park]

Suddenly it's Summer
 
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 ■日日

  ある日僕は思った
  僕に持ち上げられないものなんてあるだろうか

  次の日僕は思った
  僕に持ち上げられるものなんてあるだろうか

  暮れやすい日日を僕は
  傾斜して歩んでいる

  これらの親しい日日が
  つぎつぎ後ろへ駆け去るのを
  いぶかしいようなおそれの気持ちでみつめながら

  ■Days
  One day I wondered if there was something
  I would be unable to lift.

  The next day I wondered if there was anything
  I would be able to lift.

  As days lead toward darkness
  I walk on slumped over.

  watching, with doubt and fear,
  those familiar days gallop away backward,
  passing me by, one after another.

   (「二十億光年の孤独」谷川俊太郎/W.I.エリオット訳、集英社)
 

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 ついこの間梅雨入り宣言が出されて、それから幾日か梅雨らしい雨の日が続いた。これは今年は梅雨らしい梅雨になるんだろうな、と久しぶりに物事が当たり前のようにいつも通りに進みそうな安心感みたいなものを感じた矢先だった。それが、どうやらいきなり夏がやってきてしまったみたいだ。

 最近、世間の何もかもが既定路線から外れて先がどうなるか見通せなくなっていたのだけれど、考えてみれば季節も例外ではない、というか季節こそ「例年並み」という言葉が通用しない時代になってきたのだと思い知らされる。

 ここのところ身体の調子がイマイチなので、公園散歩の頻度も距離も落ちていた。そろそろ元に戻そうかなと思っていたけど、今日なんぞは散歩どころではない。こちらはまだ心も身体も夏の覚悟ができていないのに夏の方からすり寄ってきた。昔は夏が好きだったから、もしかしたらその頃のぼくなら喜んだかもしれないけれど…。

 もう一度夏を喜ぶ心と身体を取り戻したいとは思うけれど、無理すれば公園で行き倒れということになりかねないので、また早朝散歩に切り替えるしかないなと。歳とともに段々やれることが少なくなってくるのは仕方の無い事なのだけれど、それが本当に歳のせいなのか、自分の不甲斐なさのせいなのか定かではない。

 何しろ、ぼくは老人になるのは人生でこれが初めてなもので…。若い頃は去年できなかったことが今年は出来るようになった、と喜ぶことが沢山あったけれど、今はその逆で戸惑い落ち込むこともある。

 ただ、今までの長いリハビリ生活の経験を通して歳をとっても取り戻せるものも、保ち続けられるものもないではないことも知っている。そういうものを見極めながらやってゆくのは、もしかしたら若い時でも今も同じかもしれない。若い時は自分の才能や力を瀬踏みしつつ希望と落胆を繰り返しながら生きて来た。

 昔はその限界も思い知ったけど、まぁ、それでも何とか生きてゆこうという意思は今でも変わらないし、自分なりの感性は持ち続けたい。ただ昔に比べれば少し無理をする必要がなくなった、もしくは出来なくなったということはあるかもしれないけど…。何はともあれ、今日から後期高齢者になった。感謝。
 


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紫陽花猫 [猫と暮らせば]

紫陽花猫
 
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 我が家にはほんとうに猫の額ほどの花壇があるのだけれど、そこに植えた紫陽花が今年も咲いた。以前一時期この時期には鉢植えの紫陽花の花を毎年のようにカミさんが貰うことがあって、花を楽しんだ後に花壇に路地植えにしていたらそれが根付いて、いつの間にか梅雨時になると何種類かの紫陽花が咲いて楽しませてくれるようになった。

 色違いのものがあったり、ガクアジサイもあったりで楽しいのだけれどカミさんも園芸は素人なので剪定がきちんとできていないのか、枝が広がって年々まとまりなく野放図に咲くようになったのがちょっと気になるけど、それもまぁ野趣があっていいのかなと思うようにしている。


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 この紫陽花が咲く頃になると、巣作りの名人であるハルが昼寝用の巣作りの場所を室内から外に面したサンルームの窓際に移す。

 冬の間は部屋の方を向いて寝ていた猫ちぐらを、その場所は変えずにうまくカーテンの外側から回り込んで、カーテンをハンモックみたいにして寄りかかって外の通りを眺めながら猫ちぐらの上で昼寝としゃれこむ。

 最近は朝ごはんを食べるとここで寝ていることが分かったのでこっちも安心できるけど、最初はカーテンに隠れて室内からでは見つからない。いくら呼んでも何処にもいないし体調でも悪くてソファの裏にでも隠れているのかなと散々探しても見つからない。

 諦めて、でも取り敢えず朝のゴミ出しをしないとと思ってゴミ袋を持って外にでたら、ガラスの向こうの猫ちぐらの上で気持ちよさそうに寝ている。これじゃ室内からは見えないはずだ。それにしても、毎日ちゃんとカーテンを壁にして同じ体勢で昼寝するのは大したものだ。最近は学校に行く途中の小学生が時々覗いてゆく。面白い紫陽花猫がいると思っているんだろうなぁ。


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 it’s raining cats and dogs.

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優しい公園 [gillman*s park]

優しい公園
 
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  今年に入って帯状疱疹かできて、先週の内視鏡検査では食道にカビが生えており医者は免疫力が大幅に落ちているためだと言う。再度精密検査をすることになったけれど、そろそろ本気で抜け出さないとまずいぞと思い始めた。公園散歩の回数も極端に減り始めていた。

 はや三年になんなんとする自粛生活は年寄りにとっても、というか年寄りにとってこそ唯でさえひたひたと忍び寄ってきている老化の足音が、それこそ駆け足になってやってくる気さえしている。

 人に会えない、ジムにも行けないジレンマをZOOMのオンラインと室内トレーニングで代用してきたつもりでも、それはやはり一段レベルの下がった代替行為であるような気がする。


 今日は医者の帰りにちょっと公園に寄ってみる。いつもの半分くらいの距離なのに倍くらいの時間がかかる。でも、体調が悪くても心が研ぎ澄まされてゆく時もある。ふと普段見えなかったものが見えたり、聴こえたりするのはまんざら幻ばかりではない。


 梅雨入りを間近にして、空と光の状態がめまぐるしく変わる。公園では紫陽花が目を覚まし、夾竹桃の花が青空に少し揺れて、木陰でやすらぐ子供たちの前をカモ達が横切って飛んでゆく。緑に包まれた今日の公園はとても優しい。


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