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海に触れる旅 [新隠居主義]

海に触れる旅
 
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 実に数年ぶりに温泉旅行に行った。大学時代からの親友が車を買い替えたので慣らし運転を兼ねて二泊三日の房総の温泉旅行に誘ってくれた。気の置けない友人との二人旅はいつもカミさんと行く旅行とはまた一味違った楽しさがある。

 養老渓谷の温泉で一泊、二泊目は千倉温泉。千倉温泉では旅館の離れをとってくれたので落ち着けた。その部屋は松本清張が小説を書く折に40日間宿泊したり、画家の安西水丸氏や村上春樹氏も泊ったらしい。広くはないけれど落ち着いた部屋だった。ただ、久しぶりにベッドでなく布団に寝たら夜中トイレに起き上がるのが大変なことに気づいた。歳だなぁ。

 短い間だったけれど今回の旅行で一番良かったのは海が見られたこと。シーズンオフで誰もいない海に小春日和の日差しが差し込むのどかな光景は、コロナのお籠りで凝り固まった心を和らげてくれた。

 鯛の浦の海辺のがらんとした駐車場。穏やかな小春日和の海がキラキラと煌めいていた。ドライブ中たまたま立ち寄った喫茶店で近くに青木繁が名作「海の幸」を描いた折りに住んでいた部屋があるということを知りその喫茶店のマスターに案内してもらった。そう言えばあの名作を描いたのはここ布良(めら)の海岸だった。

 明治37年の夏、22歳の青木繁は画友の坂本繁二郎森田恒友福田たねと共に地元の漁師頭の家でひと夏を過ごした。さして広くないこの座敷で四人の若者が日本の黎明期の洋画を巡り熱い芸術論議を戦わせていたかと思うと感慨深かった。

 帰りにはアクアラインうみほたるから広々とした東京湾を眺めることもできて海の眺めを満喫できた。久々の楽しい息抜きだった。
 
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 ※旅館の食事は美味しくかつ充実してというか、充実し過ぎていて年寄りにはちょっと多すぎかも…でした。時間をかけても全部は食べられなかった。旅情にはいささか欠けけますが、フードロスを考えると食べたい料理と食べきれる量を選べるバイキング方式が合理的なのかもしれないですね。でも、三日でしっかり体重1キロ増。今日からまた体重調整に励まねば。



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Baldhead1010

ちょっとした旅、いいですね。

気分転換になります。
by Baldhead1010 (2022-12-11 13:33) 

そらへい

松本清張、安西水丸、村上春樹に青木繁、
豪華な旅でしたね。
そう言えば、コロナになってから
海を見ていません。
by そらへい (2022-12-11 17:30) 

夏炉冬扇

旅館の畳とガラス戸がいいですね。もうこういうガラス戸は手に入りませんから。
青木と坂本。その後の人生大違いですね。

by 夏炉冬扇 (2022-12-11 17:43) 

JUNKO

わたしにもそんなお誘いないかな。知床や羅臼の海10年は眺めていないです。
by JUNKO (2022-12-11 18:58) 

親知らず

5枚目の写真のお部屋が母の実家の景色にそっくり。
出窓付のガラス戸も、引き戸も全く同じでビックリしました。
あー懐かしいです。
by 親知らず (2022-12-11 21:21) 

ナツパパ

友人と泊りがけで旅...いいですねえ。
日常を離れて、昔話などあれこれ話すのは愉しいひと時でしたでしょう。
そこにこの料理、そりゃ体重も増えますって。
でも、心にも栄養が十分行ったと思います。
by ナツパパ (2022-12-12 09:13) 

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