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You must believe in Spring [gillman*s park]

You must believe in Spring
 
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 公園は本格的な春の用意ができたようだ。本命のソメイヨシノはまだ咲かないけれど、ユキヤナギは湧き立つ真っ白な雲海のように咲きみだれ、黄色いレンギョウはその向こうに見える河津桜光陽桜などの早咲きの桜のピンク色と絶妙の春の色彩を演出している。

 緊急事態宣言が延長されて春どころではないと思いつつも、季節は確実に春になっている。今年も例年並みのお花見は無理だろうけど、浮かれるのではなくて気持ちを前に向けるように背筋を伸ばしてゆっくりと春を味わうという春の迎え方をしたいなぁと思いながら公園を散歩した。

 丘の上ではうららかな春の陽の下で母子がベンチに座っている。その前を短パンにブーツをはいた若いお母さんがさっそうと乳母車を押してゆく。元気の出る春の光景。新型コロナで外にも出られない鬱々とした長い冬を抜けてやっと出会った春。もちろん浮かれてはいけないけど、今年の春はしみじみと味わいたい。

 そんな時、ぼくが大好きな曲「You must believe in Spring」という曲の名前が浮かんできた。散歩の間は大抵iPhoneに入れた音楽を聴いていることが多いのだけれど、その曲も入っていることを思い出して坂の下の東屋でその曲をセットし聴きながら歩いた。ビル・エバンス(Bill Evans)のピアノの囁くようなイントロが深く心にささった。いつかほんとうの春が来るから…You must believe in spring…。

 この曲もとはカトリーヌ・ドヌーヴが出演したフランス映画「ロシュフォールの恋人たち」で使われた曲で作曲がミシェル・ルグラン。原曲はフランス語だけれど英語のタイトルがYou must believe in Springだった。英語の作詞はアラン&マリリン・バーグマン夫妻でこのコンビはぼくも好きな「風のささやき(The Windmills of Your Mind)」の作詞者でもある。この曲は今ではジャズのスタンダードナンバーの一つになっている。

 この曲のタイトルは同時にエバンスのアルバムのタイトルにもなっていて1977年の録音。エバンスはその前年兄を自死で亡くし、翌年続いてエレイン夫人が亡くなるという失意の中だったことを想うと、このタイトルにエバンスは特別な気持ちを込めたのではないかと…。

 でも結局このアルバムが発表されたのは1980年エバンスが亡くなった後だった。理由はよくわからないけど、演奏が暗いという説もあるが、ぼくは暗いのではなくどこまでも透明なのだと思っている。ぼくにとってはしみじみとこの春を味わい尽くすための大切な曲だ。
 
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You must believe in Spring
Recorded in 1977
released in 1980.
[Personnel]
Bill Evans…piano; electric piano
Eddie Gómez…bass
Eliot Zigmund…drums

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Boss365

こんにちは。
ビル・エバンス「You must believe in Spring」美しい曲ですね。
「ぼくは暗いのではなくどこまでも透明・・・」納得です。
後半はリズミカル、ピアノが弾けてます。
また、録音状況が良いですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2021-03-26 17:28) 

芝浦鉄親父

私は 、Bill Evans の1970年以降というか晩年の作品は、それまでのRiversideレーベル、Verveレーベル時代の作品と比較すると、あまり好きではありません。
しかし、唯一の例外と言っていいのが「You Must Believe in Spring」です。このアルバム全体に漂う寂しさ、美しいがゆえに心に深く響きます。名盤だと思います。。。
by 芝浦鉄親父 (2021-03-28 23:12) 

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