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晩夏 [gillman*s park]

晩夏


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 晩夏と言う言葉は、暑さからやっと解放されそうでなんか少しほっとする感じと、今年の夏も終わるのかという寂しさとが入り混じって…複雑な感触を持っている。ここ数年いろいろな事が重なって、何回もの夏がそそくさと去っていった。

 それがコロナ禍のせいで街なかに出る外出もままならなくなってから、早朝の公園散歩が再開されて季節の変化をかえって身近に感じることができる生活になった。毎日ほとんど同じコースをたどっているのだけれど、光や空気は毎日ちがうことが分かる。



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 早朝散歩は季節によって光が微妙に変わることを思い出させてくれた。昔体験したことを少しづつ思い出しながら、歩いている。光はその季節の最盛期に差し掛かったころ既に変わり始めていることも、この間猛暑の中で光に秋の感じが混じり始めたことを感じて思い出した。

 今日の光は夏の最後の輝き。すでに秋の光が勝っている感じだ。一年を通じて四季がある国に生まれ育って細かい、ともすれば見逃しそうな季節の変化に気づくことで静かな幸福感に満たされる。…と、ささやかな幸福感に浸っていると腕に付けたスマートウォッチが「心拍数が速すぎます。呼吸を整えてください」と耳元で囁く。いきなり、無粋に…、それで情けない現実に引き戻される。

 なんとか呼吸を整えつつ散歩が終わる頃、学校に向かう小学生たちとすれちがった。先週までは見なかった光景だ。ここら辺では小学生たちの今年の夏休みはほんの二週間で終わってしまった。特別な夏。彼らにとっては今年の夏は短く、つまらない夏だったかもしれない。でもこれも生涯に一度しかない夏だよ。彼らが大きくなって、そう言えばそんな夏もあったね、と笑って言える時がきっと来ると思う。

 ■ 積乱雲 つねに淋しき ポプラあり (金子兜太)


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ナツパパ

晩夏...わたしも好きな言葉です。
去りゆく夏というのは、どうしてかくも寂しいものなのでしょう。
若い頃はもちろん、歳をとってもそう感じます。
...特に今夏は、いい思い出など無いに等しいものだったのに、
それでも夏が去りつつあると感じるのが寂しいです。
by ナツパパ (2020-08-28 14:42) 

親知らず

小学生の頃、アブラゼミの鳴き声に混じってヒグラシが鳴くと夏休みも終わりだと思いました。
by 親知らず (2020-08-29 22:10) 

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