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コロナ以後 après corona [新隠居主義]

コロナ以後 après corona

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 これからこの新型コロナウイルス禍がどこまで広がるか判らないうちからこんな話をするのもなんなのだけれど、例えこの新型コロナウイルス騒ぎが今後落ち着いたとしても、これからの世界は「コロナ以後 (アプレ・コロナaprès corona)」と表現されるような時代になるのではないかと思っている。

 ある日世界の足元が一瞬にして崩れたようなものだ。これまでもいろいろな国をありとあらゆる激変、禍が襲った。戦争、暴動、革命、大地震。しかし全ての大陸で、世界の最果ての土地に至るまで世界中が殆ど同時に一瞬にしてこのような禍に巻き込まれるということは今までにそうはなかった。

 コロナ禍が去っても、コロナ禍が広がる過程で感染を予防するという理由で個人レベルまで動向をIT技術で掌握できるようになった国々の変容や、一瞬にして激しく感染が広がり多大な被害を出しつつある欧米のとまどい、そしてまだ先行きの見えない日本。感染拡大防止でシュリンクした世界経済と停滞したロジスティックなど等、大激震の後に新たな動きが生まれてくると思う。

 今回のコロナは、今の世界が遠く離れていて無縁と思われる人々とも如何にぼくたちの日常が深く繋がっていたかを思い起こさせるとともに、それが同時に大きなリスクにもなりえるということをも痛感させた。また、ウイルスを追跡するための政府による個人の詳細な動向の掌握や、強制力をもった外出禁止や営業停止が感染拡大防止に有効だということになれば自由の限界についても目を向けざるを得ない事態にもなっている。

 アプレ・ゲール(après-guerre/戦争の後)という言葉がある。第一次世界大戦の終焉とともに古い秩序が崩れ既成の道徳やしきたりにとらわれない芸術運動などがおこり、それは大正時代の日本にも大きな影響を及ぼした。この言葉は第二次世界大戦後のいわゆる戦後派の意味でも使われることがあるらしいが、言えることはこの二つの世界大戦のような世界を巻き込んだ大きな出来事の後には、今までの既成の概念を覆すような流れが生じてくるということだと思う。

 つまり今まで人がしごく当たり前と思っていた日常が、抗しようのない程の巨大な力で足元から崩れてゆく、それこそがパラダイム・シフトの引き金になるからだ。そういう意味でもこれから世界でもぼくらの身の回りでもアプレ・コロナ (après corona)ともいうべき大きな変化が起こってきそうだ。

 その変化は一体どちらに傾くのか。隔離生活を余儀なくされて絆の大切さを実感するのか、それとも今後も対人的な恐怖が拭えないのか。コロナ以前に世界の各所で起こりつつあった政治のポピュリズムを加速させるのか、その愚かさに気づくのか。そして人と情報で世界の隅々まで繋がれていたネットワークやロジスティックスはどうなるのか。国民の個人個人が持つ自由の範囲に新たな制約がかかるのか、それならば権力の暴走を予防する新たな仕組みはどうするのか、等々。

 今回の新型コロナウイルス禍にしても、それが成功したか否かにかかわらず沈静化した時点で今までの対応や施策の検証が必要になると思う。これが最後のパンデミックではないし、今後もテロや事故等むしろそのリスクは高まっていくような気がする。世界的なパンデミックが如何に人々の生命だけでなくその暮らしや世界経済に打撃を与えるかその衝撃度も明確になった。そのために今回の教訓は貴重なはずだ。

 しかし、日本の今の体制では結局誰も責任を取らないだけでなく、政治家も官僚も自分たちに都合の悪い情報は抹殺するという最悪の体質が浸み込んでしまっているので、検証も本当に出来るのか、教訓も残らないのではないかという恐れはぬぐいきれない。 …でも何はともあれ、まずは今をなんとか生き延びることが先決だ。STAY AT HOME!


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東北大震災、原発事故の数日後の都内の電車内。あの時以上の激震が…。


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3コマニャン画 おあずけ [猫と暮らせば]

3コマニャン画  おあずけ

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 ①「あ、今日はお刺身だ」「おいしそうだなぁ」
 ②「少しもらえますよね」「きっと、もらえるよね」
 ③「まだかなぁ…」「だんだん残り少なくなってきたし…」
  (L&H Brothers)

 毎日家に居るから、猫たちももうそういうものだと思っているらしい。ハルは膝にのせようとしても絶対に嫌がってのらなかったのだけれど、最近はぼくが行儀悪くテーブルの上に足をのせてテレビを観ているときなど「ちょっとお邪魔します」みたいな感じでソロっと膝の上にのってくるようになった。

 なんだ、膝にのるようになったのかと思ってこちらから膝の上にのせようとすると「何すんだよっ!」みたいに怒られる。あくまでも自分の意志で自分ののりたい時にでないとダメらしい。とは言いながらも以前に比べたらとても甘えるようになった。

 ハルが家に来てから暫くはずっと一人で居たかと思うと、いきなりレオモモに跳びかかってよく叱られていたのだけれど、それは余りしなくなった。そればかりか最近はレオにつかず離れず一緒にいることも多い。レオは鷹揚だから良いのかもしれない。モモは今でもハルを避けている。彼女はクロが居る時もそうだったがどうもレオ以外の猫は苦手のようだ。

 夕食の時は先に猫たちに食べさせるのだけれど、三匹で一緒に食べていても食べ終わると「解散!」みたいに各々自分の居場所に行って、モモなどはさっさと二階へ行ってしまう。でも、たまにまだ食べたりないと思ったのか、もしくは食卓にお魚系のものがあるときなどはレオとハルが近くに来てじっと見ていることがある。

 手は出さないのだけれど、じっと見ていられると食べずらい時もある。「もし余ったらあげるからね」というと「いつですか?」みたいな顔をして言い寄られる。ここのところは新型コロナで衛生上のこともあるので食事時はテーブルには載せないようにしているが、この日は別格に美味しそうだったらしい。

 毎日テレビを観るたびにため息の出るようなことばかり。ストレスが溜まるのだけれど猫たちがいるお陰でどれだけ免疫力の低下を防げているか。感謝、感謝。大分お待たせしたけれど、お刺身のおすそ分け少しだけさせていただいた。


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*現在通院している大学病院でも先週末に医療スタッフ数名の感染が判明し外来を一時中止しました。ぼくも今週が通院の日で薬がきれるのですが、先ほど電話して病院に行かなくても処方箋を送ってもらえることになりました。幸い病院も今週には外来を再開するようです。毎日いろいろと不安はありますが、今はとにかくSTAY AT HOME。今はこれが生命と民主主義を守るためぼくらが出来る唯一のことだと思っています。

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春なのに [猫と暮らせば]

春なのに

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 毎年今頃になるとウチの出窓の外の花海棠がちょっと派手過ぎるくらいの花をつける。花海棠の花が咲く時期はソメイヨシノが散り始めた頃なので、これが咲くとほんとうに春本番という感じになる。その花海棠の木は去年の秋口の台風でひどい目にあっていた。

 その時ぼくらも生まれて初めて受けた退避勧告で避難所に避難し、心細い一夜を過ごして家に戻ってみると花海棠の一番太い枝が根元からもぎ取られて痛々しい姿になってしまっていた。それでもこの春も見事な花をつけてくれた。自然は強い。

 ハルは去年の同じ時期より一回り大きくなって出窓でお花見としゃれこんでいる。ぼくらは本来なら近くの公園に植えた桜の木の下で親類を交えて花見をするのだけれど、もちろん今年はそれも中止。そればかりか外出も一切控えていて、先週は一度病院に薬を貰いに行っただけ。

 スポーツクラブはもちろん休館のままだし、週一回通っていたリハビリ病院も先週からは自宅での自主メニューに切り替えている。やりたいことは沢山あるので一日家にいても退屈することはないけど、脚は弱るし身体は太る。ちょっとまずい状態になってきた。でも「STAY AT HOME」だ。

 欧米の状況はまさに戦慄すべきものがある。ドイツのニュースをみたりしてもその深刻さが伝わってくる。それに対して先ほど韓国の友達から電話があって色々話していたのだけれど、韓国は今は新たな感染者は一日50人くらいの増え方になっているらしい。

 自分なりに出来る限り情報を仕入れてみると、どうも欧米や他の国と日本とでは見ているところが違うような気がする。どちらも専門家の言うことなのでぼくらには判断がつきかねるが、結論はそう遠くない時点で出てくると思うけど、大勢の人の命がかかっているだけに、もう「理論ではそうだったのだけれど…」ということは許されないと思うが…。今は正しいことを祈るばかりだ。

 だが、一つだけ言えるのは、もしも新型コロナウイルスに対する今の日本の対応が正しいとしても政府や自治体から出されてくる情報が余りにも遅くそして少なすぎるし、国民や住民への感度が低すぎるということ。そもそもそれ以前に日本の政治が国民を納得させるに足る信頼性を既に失っているというところがなんとも悲しい所だ。


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