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奄美にて… [gillman*s Lands]

奄美にて…

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 例年なら今頃は沖縄に行くことが多いのだけれど、歩けなくなってからここ二年ほどはそれもやめていた。しかし、昨年の秋カミさんと行ったウィーン旅行で平地ならそこそこ歩けるという自信も少しついたので年明けくらいには沖縄に行こうかなとは思っていた。

 そうこうしているところに沖縄や石垣島を何度か一緒に旅行したことがある三十年来の友人から奄美大島に行かないかと誘われた。彼はいわば旅行マイスターみたいなもので、奄美大島も何度も訪れている。奄美大島といえば画家の田中一村が浮かんでくる。前々から奄美大島にある田中一村美術館を訪れてみたいと思っていたので今回はリハビリも兼ねて行くことにした。

 幸い片道2,990円という破格に安いLCCのピーチエアーのフライトがタイムセールで手に入ったので、出発は成田空港8時30分と早すぎるきらいはあるけど頑張ってそれに乗ることにした。もちろん安いには安いなりの理由があるのだが、それは使う人のチョイスということだと思う。手荷物の機内持ち込みは二個まで、さらに合計は7Kgまでと決まっているのでここは考えどころだ。もちろん追加料金を払えばトランクでも預け荷物でも可能だとは思うのだけど色々と面倒くさそうだし、その7Kgの範囲内で持ってゆくことにした。

 東京は大寒を控えた真冬だし、しかも東京と奄美の温度差は10度以上ある。また南国とは言えまだTシャツ一枚というわけにもいかない。結局出発時は着込めるだけ着込んで、奄美ではそれを脱いたり着込んだりして調整することにして、結果は一週間着た切り雀の状態だった。靴下と下着は一度洗濯したけどそれ以外はずっと着っぱなし。座席はめちゃ狭いのだけれど何席かある前が多少広めの席が取れたので(料金790円追加)3時間程度のフライトなら何とか我慢できる。


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 この旅行では出来るだけ写真を撮ろうと決めていった。まだ小型とは言ってもぼくには重く感じる本格的なミラーレスカメラを持ってゆくのはためらわれたので、レンズ交換のいらないコンパクトなミラーレスカメラを持ってゆくことにした。いつもはそんなことはしないのだけれど、今回は撮影のリハビリも兼ねているのでテーマを「南国の冬の抒情」と「旅情」ということにして出来るだけシャッターを切ることにした。

 今回一緒に行った友人との旅のスタイルはいつも決まっている。ぼくもそうだけど、彼もいわゆる観光というものは殆どしないで、数日滞在する宿の周辺をぶらついたり、その他は昼寝と読書。基本は別行動だが、ただし、一つだけお互い決めているのは食事は一緒にしようということくらいか。ということになれば朝以外は食うたびに飲む、ということで今回も地元の美味しい黒糖焼酎をしこたま飲んだ。

 ぼくは今回も平たんな道しか歩かないけど、彼は健脚なので二時間ほどかけて隣の集落まで峠を終えて歩いてゆく。泊まっていたいた集落には食堂がないのである時は一緒に昼食をとるために彼は歩いて峠を越えて、ぼくは一日数便あるマイクロバスのオンデマンド走行の車で隣の集落の食堂で落ち合ったり…。まぁ、言ってみれば好い加減、イイカゲン、どちらの意味でも良い加減の旅だ。

 同じところを一人で何日か歩くと段々と見えてくるものが変わってくる。昨日気が付かなかったものが、あれ、こんなものがと思うこともあるし。写真をやらない人でも見る景色が時間や天気でその光が刻々と変化していることに気が付くのではないか。ぼくはこれが本当の意味での「観光」、つまりその土地の光を観るという意味でもそうではないかと、勝手に思っている。

 今回色々なところでファインダーを覗いてシャッターを押した結果を見ると、抒情というものを撮ろうとするときにどうしてもあの川瀬巴水の抒情的な光景が浮かんでしまう。天気はあまり良くなかったし、現地の人は暖房を入れるくらいだから奄美の冬、という田中一村の極彩色の南国のイメージとはまた異なっている感じがした。沖縄の冬もそうだけれど、外部からきたぼくには現地の人が感じるのはとまた違った冬の抒情があるのだと思うし、逆にもしかしたら島を去った元島民の人が故郷を想って思い起こす光景はあの夏と共にこんな光景でもあるかもしれないと思った。



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[写真]
嘉鉄の海岸に面した庭…夏などは地元のお年寄りなどが寄り集まって寛いでいる場所らしいのですが、今回は誰もいなかったのでここでしばしまったりとさせてもらいました。こちらも年寄りだし…。木々の間から見える海の眺めは天下一品です。
久根津の集落から見た太陽…島の天気は良く変わります、今が照っていると思ったら瞬時に曇って太陽がまるで月のようで…、南国の山の稜線の上にまあるい太陽が浮かんでいます。
嘉鉄の海岸…これから家を建てるらしい平地(ひらち)になった場所の前の海岸で男の人が二人話をしています。
久根津の宿の前の海…凪になると湾内は海面が鏡のようになって波音もなく静寂そのものです。
ほのほし海岸の荒波…ここは打って変わって外洋に面しているので荒波が押し寄せています。ちょっと見ただけでは日本海の海辺のような光景が広がっています。
古仁屋のコーラル橋…二つのアーチを持つとても美しい橋です。橋の中ほどに海に突き出したテラスのような場所があって案内にはデートコースとありました。


IMG_8877.JPG 良い所ですが、ハブが居ます。w
 


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