SSブログ

As Time Goes By... [gillman*s park]

As Time Goes By...

Dsc06258.jpgアキアカネDSC01567.JPG

 今から15年位前、まだ公園のこの区画の整備が始まる前の公園の入り口の写真が懐かしい。(一枚目の写真) この道を上った先には草原の真ん中にこんもりとした林があって夏は絶好の休息場所だった。鳥や昆虫が沢山いていつも子供たちがはしゃぎ回っていた。

 今は道もコンクリートで固められて道の右手にはカフェ兼バーベキューの売店、坂の上にはバーベキュー場ができて、今その先にフィールド・アスレチック場を建設している。最近では鳥や蝶や蜂もあまり見かけなくなった。以前の原っぱと森以外は何もないけど自由に遊べる公園から、自分で「遊ぶ」のではなくてどこぞのテーマパークのように「遊ばせてもらう」スペースに変わろうとしている。

Dsc01524.jpg

 実はこの公園はまだ三分の一くらいが整備中でまだ完成はしていない。でも、ここまで来るのに既に80年位かかっている。戦前に東京の防空防災緑地として今よりずっと広大な土地の買収が東京都によって終わっていたが、戦時末期になって食糧増産のために近隣の旧地主や小作農家に耕作を許可した。

 ところが、戦後になったら進駐軍の農地改革で土地所有者の東京都は不在地主ということになって、折角買収していた用地が国に強制買収され耕作していた農家に払い下げになってしまった。それからまた一から土地買収をやり直して以前よりはずっと狭くなったけど公園建設がはじまった。(今は日比谷公園くらいの広さ)

 公園の敷地はぼくの子供の頃は殆どが田んぼで夏休みはよく虫取りや魚取りをして遊んだ。その後買収地にはフェンスが作られて長い間不法投棄をし放題の場所にされていた。そばを通るたびに異臭がして、なんでこんな形で放置しておくんだろうといつも思っていたけど…。

 それでも、ここ二十年位でやっと公園としての体裁が整ってきたけれど敷地の中の一軒の民家が事情があったのだろう十五年位前まで中々立ち退かなかったので本格的に整備が始まったのはつい最近と言っても良いくらいだ。それまではいくつかの飛び地のような区画がフェンスに囲まれて点在していた。

 その中の一番大きな地区には鳥の集まる池と木々に囲まれたこんもりとした丘があってそこがぼくのお気に入りの場所だった。草原に寝転んで空を見上げるとはるか彼方にアゲハ蝶が舞っていて、少年の頃網を持ってここら辺を駆け回っていた幻影が頭をよぎる。

 今は公園のすべての道が舗装されて雨の後にも水たまりはできない。雨上がりに水たまりに映った真っ青な空を楽しむというちょっとマニアックな公園の楽しみ方もできないけど、それはそれで仕方のないことでそれを別に哀しんでいるわけでもないのだけれど…。

 今はまた早朝に公園を散歩しているけど、平日でも結構多くの人がランニングをしている。ワイヤレスのイヤホンを耳に挟み、腕にはめたスポーツギアに時折目をやりながら懸命に走り抜けてゆく。時の移り変わりで公園だって変わってゆくのだと思う。

 かく言うぼくだって、のらくら散歩だけれど腕にはめたスマートウオッチに「心拍数が速すぎます。呼吸を整えてください」と何度か叱られながら公園の坂を上っている。今は変化に目くじらを立てて、落胆するより変化自体を楽しめるようになりたいと思っている。


DSC02104.JPG



j0318055.gifgillmanspark2.gif



nice!(54)  コメント(3) 
共通テーマ:アート