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冬の散歩道 [gillman*s park]

冬の散歩道

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 日曜の午後、今にも降ってきそうな鈍色の空。風が無いので身体に浸み込む寒さはない。公園の空は広いので、どんよりとした冬の空は家の窓から覗くと気の滅入りそうな暗さだけれども、ここではそういう陰な暗さはない。

 歩き始めると頭の中で"A Hazy Shade of Winter"(冬の散歩道)の曲のサビのところがエンドレスに繰り返される。サイモンとガーファンクルの一番好きなアルバムBOOKENDSに入っている曲で、若い頃下宿で毎日のように聴いていた。今日の公園の光はそんな曲が浮かんでくるような…。

 いつも散歩の最後に寛ぐ池のほとりのベンチに座って景色を眺める。丘の上とここが一番落ち着く場所だ。今日は景色自体がモノクロの世界だけど、どこか気持ちが癒される光景。荒涼として、でも懐かしいような。年末年始に色々とあったけどそれも時を生きた証しと受けとめることにした。
 

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 その曲のメロディーがずっと頭の中で回転するようになって想いだした。確か谷川俊太郎さんの詩の一節にそんな部分があったなぁ、と。もちろん全部は覚えていないので家に帰ったら読んでみようと思った。いつか、この曲やこの詩にあうような写真が撮れるようになりたいな、とも。

 ■生きる
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

 谷川俊太郎 詩集『うつむく青年』(1971年)より
 

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JUNKO

谷川俊太郎は好きな詩人です。
by JUNKO (2022-01-26 18:44) 

Baldhead1010

私もS&Gのこの曲は大好きです。

外は寒いですが、梅のつぼみもずいぶん大きくなり、もうすぐ開きそうです。
by Baldhead1010 (2022-01-26 20:40) 

八犬伝

この谷川さんの詩
小室等さんが歌っていましたね。
by 八犬伝 (2022-01-26 20:46) 

親知らず

S&Gの後にバングルスも歌ってましたね。
S&Gの方が聞きなれているせいか、しっくりきますけど。
冬の風景はモノクロ、春になって急に色が付く感じがしますね。
by 親知らず (2022-01-27 08:05) 

ナツパパ

BOOKEND、いいアルバムでした。
わたしは、BOOKENDのテーマ曲?が好きでした。
by ナツパパ (2022-01-28 09:15) 

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