SSブログ

色のない秋 [gillman*s park]

 色のない秋

   

 早朝のウォーキングに行く。朝はどんよりとした空。もう以前のようにティーシャツだけの姿では肌寒い。上に一枚薄手のパーカーのようなものを羽織らないとならない。早朝の公園をランニングしたりウォーキングする人の数も夏休み中に比べて大分少なくなったような気がする。体重が減らないのは以前のままだが、それでも生活サイクルとして早朝のウォーキングが定着しつつある。もう少し寒くなったら続ける自信はないが…。

 行き交う人の減った早朝の公園は少し寂しい。木々が本格的に色づくのはもう少し待たねばならない。今の季節は秋といっても、ここはまだ色のない秋だ。色のない、というのはあでやかな色がないという意味で、全くの墨絵の世界というわけではない。よく見れば、どんよりとした雲にまぎれていろいろな色が見え隠れしている。特に東の空に朝焼けの名残がある時には、えも言われぬ微妙な色彩が現れてはまた消える。また、そんなものを見つめて足を止めているからウォーキングにならないのだ、といわれるかもしれないが、それも朝の楽しみである。

 これからの朝のウォーキングについてぼくが密かに楽しみにしていたことがひとつあった。C地区といわれる公園の未整備地区に大きな空き地がある。金網のフェンスに囲まれており、その前には小さな池があってそこは釣り人たちの恰好の釣り場になっているところだ。釣り人もその空き地の傍の通りを通る人も誰もそんな空き地に目もくれることはない。ところがその空地が晩秋の霜の降るころ一変する。二年前のある日、いつものように散歩に出た僕はその光景を目にして一瞬立ち止まった。その時、ぼくの目の前には一面の草紅葉(くさもみぢ)の草原が広がっていた。殆ど山歩きをしたことがないぼくは、高原などの草紅葉というものを実際には見たことがなかったのでその美しさに驚かされた。

 昨年の秋は、論文書きで時間がなかったのでいいタイミングでその空地に行くことができなかった。今年こそはその草紅葉が見られると楽しみにしていた。今度は朝日を受ける草紅葉の野原を撮ってみたいなどと勝手な想像をしていた。ところが、一昨日の朝、いつものように早朝ウォーキングの時その空地のところに来たら、草紅葉になるはずだった草がきれいさっぱり刈り取られて、ツルツルの原っぱになっていた。残念。当分はまだ色のない秋が続きそうだ。

                      
  
nice!(14)  コメント(4) 
共通テーマ:blog

nice! 14

コメント 4

こんばんは^^
草紅葉で思い出しました。わたくしも一昨年、舅の入院している病院へ行く途中、草紅葉を見つけて、来年はここで写真を、、、っと思っていました。やはり
gillmanさんと同じで昨年は結局行けず仕舞い・・・今年こそと狙っています^^
まさか刈り取られていると言うことは・・・(--;
by (2007-10-24 19:09) 

ミヤ

草紅葉という言葉も、秋らしくて良いですね~♪
どこにでも、感動する場面は見つかるものですね^^
by ミヤ (2007-10-24 20:25) 

としぽ

こんばんは。朝のウオーキング気持ち良さそうですね。
草紅葉撮りたいですね。
by としぽ (2007-10-24 21:11) 

くみみん

草の紅葉も美しいけど、雑草と思う人にはその美しさは感じられないんですものね。残念ですね(-_-)
by くみみん (2007-10-28 15:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント