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冬来たりなば… [gillman*s park]

冬来たりなば…
 
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 新しい年はいきなりの衝撃で始まった。元旦の能登半島での地震、津波そしてそれに続く大規模火災で正月気分はいっぺんに吹き飛び、それに続いた羽田の飛行機事故に何だか前途多難の一年の幕明けを感じたのはぼくだけではないと思うのだが。

 尤もぼくの場合年末から年が明けてもレオの事で手いっぱいで今年は新年という感じも薄かったのだけれど、そこへもってきて今週、末期ガンと戦っていたいちばん仲の良かった親類が亡くなり誠に辛い一年のスタートになってしまった。「新春」という言葉がなんだか白々しく響く日々が続いている。
 

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 そんな日々でもリハビリのための公園散歩は欠かすことができないのだけれども、こういう時は散歩しながら考え事をしている自分にふと気づくことがある。もちろん散歩は考え事には適しているので、いつもは考え事をすることそれ自体は普通の事なんだけど、考え事をしている自分に気づいてしまうというのは、そうあることではない。

 昨日も散歩したのだけれど、寒さのためか公園には殆ど人影もない。人っ子一人いないとはこういうことだな。寒風吹きすさぶ公園は鈍色の空に白い太陽が浮かんでいかにも寒々としている。それはそれで心にしみる光景ではあるけど…。

 散歩をしているうちに段々と内に閉じこもっていた心が外の景色に向いてくるのがわかる。もちろん見えているのは現実の風景だけではなく、心が投影された心象風景も過っているのだと思うが…。それでも、冬の公園は実にいい。とりわけ冬の公園の夕暮れは、静謐で身を清めるように清冽で、それは桜が咲き乱れるあの季節にいささかも劣るものではない、と。

 考えてみたら、遠くに行けなくなって、速く歩けなくなって、逆に今まで見えていなかったものが少し垣間見えたような気がする。それが何かはまだ言葉で言えるほどはっきりとは形をなしていないが、今はスマホでしか撮れないけど…、またちゃんとしたカメラが持てるようになったらそういうものを撮っていきたい。冬来たりなば…あと、一息。
 
 ■ 寒椿の 紅凛々と 死をおもふ (鈴木真砂女)
 

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 *秋から冬にかけての公園は、花の咲き乱れる春夏とはまた違った風情があります。以前作った公園の四季、秋冬編のスライドショーをYouTubeに載せましたので、よろしかったらご覧いただけると嬉しいです。
 

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