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Akihabara [Ansicht Tokio]

Akihabara

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 秋葉原、この街をうろつき始めてからもう何年になるだろうか。四十年以上になるかもしれない。勤め先が本郷で秋葉原に近いということもあるのだけれど、通い始めたのは大学時代からだからもしオフィスが多少遠くても来たかもしれない。通算すると月一回、多いときには毎週もあったと思う。

 通うと言っても特別な目的があるわけではない。ただぶらついて街を、店を見ているだけで何となく楽しいのだ。それでもその時々によって興味を持って見るものは確かに変わってきた。最初はオーディオ関係のスピーカーやターンテーブル、アームやカートリッジなどの部品がメインだった。

 それから、音楽でジャズやクラシックのLPに目が向いてディスク漁りをやっている内に、当時「マイコン」と呼ばれるパソコンが出始めた。そうすると秋葉原の街はあっという間にオーディオの街からデジタルタウンに切り替わっていった。その時分にはぼくももう会社に入っていたのでぼくの関心もオーディオからパソコンの方に比重がかかっていった。

 以来、時の経過とともにいくつかの関心がぼくを長いことこの街につなぎとめていた。リタイヤしてからは関心はカメラやジャズのCDなどに向いていったが、今はそれにタブレットやBluetoothなどの新しいオーディオ機器への関心が加わった。この街の変遷が自分の関心の範疇に合っていたのか、はたまたこの街の変遷に自分の関心が引きつけられたのか、おそらくはその両方だと思うけど…この街は長いことぼくの関心を繋ぎ留め続けてきた。

 ただ一つだけ、この街の変遷で自分の範疇には取り込めなかった、または取り込まなかったものがある。それはいわゆるオタク文化に類するもので、それがこの街に浸みこむように広がってゆく様をぼくは少し遠くから傍観者として見ていた。それは秋葉原という街に新たな味付けをすることになった。それは一見唐突にこの街に現れたように思えるけれど、今までの秋葉原文化と何処かで通底するものを持っているとぼくは思っている。


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 昨日、友人のところに行くので馴染みの秋葉原で乗り換えた。ラッシュアワーも終わった午前中の秋葉原駅のホームはいつもぼくが見ているのとは違ってどこかのんびりとしていた。ぼくが乗ろうとしていた総武線の千葉方面のホームの一番先の方は人影もまばらで、ローカルの駅のようだった。約束の時刻まではまだ間があったのですぐに電車に乗らずに少しホームをぶらつくことにした。

 家を出る時久しぶりにRICOH GX200をポケットに入れてきたのでそれでホームの光景を覗いてみた。ホームに差し込む光は既に冬のそれになりかけている。ガラッとしたホームには自販機が並んでいる。時折、自販機に飲み物を買いに来る人が通るくらいで人通りも少ない。駅の時間はラッシュアワーの時刻を過ぎて急にそのスピードを落としてなだらかに流れ始めた。もちろん、それは夕刻の次のラッシュアワーまでの束の間のことだけれど。


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katakiyo

小さな電気店が軒を並べた、秋葉原が懐かしいです。
by katakiyo (2017-11-13 08:53) 

ZZA700

秋葉原の散策は宝探しのようなもの。
何か面白い物が見つかるような期待が膨らむのです。
by ZZA700 (2017-11-18 13:12) 

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