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猫を巡るアフォリズム Aphorisms on Cats ~その42~ [猫と暮らせば]

猫を巡るアフォリズム Aphorisms on Cats ~その42~
 
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 ■犬があなたの膝に乗るのは、あなたが好きだから。でも猫が同じことをしても、それはあなたの膝の方が温かいからだ。(A.N.ホワイトヘッド)
 If a dog jumps into your lap, it is because he is fond of you; but if a cat does the same thing, it is because your lap is warmer. (Alfred North Whitehead)
 

  人生には「それを言っちゃおしまいよ」ということが幾つもある。しかも、それは厄介なことに歳をとるにつれて増えてくるような気がする。長く生きて「人生酸いも甘いもつまみ食い」(ジェーン・スーの言葉)をしてきた者としては、そんなこと知ってるよ、だけどそれをさも知ったように得意げに言うのは野暮ってもんだ、と心の中で呟いている。

 ただ野暮を承知で言わせてもらえば、膝の方が温かいから乗るのではない。それでは夏でも膝の上に乗ってくることの説明がつかない。ウチのモモはぼくが行儀悪く両足を机の上に乗せると、何処からともなく現れ、すかさずさっと寄ってきて膝の上に乗る。冬でも夏でも。

 しかもその乗り方には拘りがあるみたいで、冬は良いのだけれどぼくが夏に短パンなどをはいている時は、身体を小さくして何とかぼくの肌が露出した部分には触らないように苦労して何度も体勢を調整している。彼女にとっては表面に毛が生えていないヘンテコリンな部分は不気味なのかもしれない。

 ちょっと話が逸れたけど、要は膝が暖かいから乗るというよりは、そこが彼女にとって心地よいからなのだと思う。ジェイムズ・ヘリオットの言葉に「猫は、心地よさの鑑定家だ」(Cats are connoisseurs of comfort. James Herriot)という言葉があるように、猫は快適な場所を見つける天才である。

 彼女にとって冬でも夏でもぼくの膝が心地よいのであれば、もちろんぼくの膝はぼくの一部なのだから、それは彼女がぼくを好きなのだと解釈しても彼女に失礼には当たらないだろう。まぁ、いずれにしても猫飼いはそこら辺はすべて飲み込んだうえでお互いの「幸せな誤解」を楽しんでいるのだ。放っておいて欲しいものだ。

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