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印象派みたいに [gillman*s park]

印象派みたいに
 
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 連休も最後に差し掛かってきた日、ちょっと間が開いたあとに散歩。どうも運動不足か股関節が痛んで公園に来られない日が続いた。でも、今日は天気もいいしゆっくりと歩いた。東京は連休中も非常事態宣言中とあって都立の公園は閉鎖なのだけれど、ここの公園も都立だけど駐車場やテニス場は閉めているが公園自体は柵がないので自由に入れる。

 公園に入ると中はかなりな人出。もしかしたら今年のお花見のときより多いかもしれない。芝生や木陰のあちこちに小さなテントが張ってある。でも全然密ではないし、シートを敷いて座っている人も目立って飲食をしている風はない。原っぱでは子供たちが追いかけっこをしたり、ボール遊びをしたり、そのわきのテントではお父さんは昼寝をしている。今はやりのチェアリングというのだろうか、持ってきた折り畳みの椅子に腰かけて本を読んでいる人もいた。

 メタセコイアの並木道の両側に設けられたベンチではお年寄りたちが寛いでいる。ちょっと夏めいた光の中で深い緑色に囲まれた彼らの後ろ姿に優しいまだら模様の木漏れ日があたって、どこかフランスの印象派絵画のような感じがした。周りからは少し控えめに、それでもはしゃいでいることが明らかに分かる声が聴こえてくる。

 何もない原っぱでもそれぞれが自分なりの楽しみ方で…、ぼくはいつも思うのだけれど、〇〇ランドのように周到に用意された施設の中で「遊ばせてもらう」のも悪くはないが、こういう風に自分のスタイルで「遊ぶ」方がぼくは好きだ。お金もかからないし…。そういう意味では昔から大好きな公園なのだけれど、この公園でも先年バーベキュー場が整備されたのについで、大掛かりなフィールドアスレチック場も殆ど完成して、ここもまた設備に頼って「遊ばせてもらう」類の場所になってゆくような感じがする。


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  池のほとりに行くと、ここのカモは人がいじめないから余り人を怖がらないのでつがいで草原の上をよく散歩している。それを幼い姉妹が目ざとく見つけて、カモの後ろについてゆく。驚かさないように両手を後ろに組んで二羽と二人が道端を散歩している姿がなんとも可愛い。そのうちお姉ちゃんの方は飽きたらしく戻って行ったけど妹の方はずっとカモの散歩にお付き合いしていた。

 丘の上には筋雲みたいな刷毛ではいたような雲が青空と良い割合で空を飾っている。今は彼らの愛の季節なのだろう、地上ではハトの求愛ダンスが空ではカラス達の追っかけっこが盛んだ。散歩の犬はのどが渇いたのか水飲み場で美味しそうに水を飲む。局地的にこの公園だけを見れば、以前のお花見時のように大勢の人が集まりゴミだけを残してゆく姿が消えて、ちょうどいいくつろぎの空間になったと言えるけど…。一方では長引くコロナ禍の中で商売が続けられず塗炭の苦しみにあえいでいる人が多くいることも忘れてはならない。

 日本に限らずこのパンデミックはその社会の弱いところを浮き彫りにするようだ。コロナ禍で日本の政治や官僚システムが迅速に戦略的に動けないこと、ITが世界から周回遅れで遅れてしまっていたこと、医療の体制や政策がリスク対応できないシステムになっていたこと等々、多くの課題が浮き彫りになった。この教訓を将来に活かせればいいのだけれど、のど元過ぎれば…ということにならなければ良いが。

 
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