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カスミソウ [新隠居主義]

カスミソウ
 
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 カスミソウ(霞草)という草がある。地中海からアジアあたりが原産らしいが、今はもっぱら切り花として使われている。豆粒のように小さい花を春霞のように無数につけるのでその名がついたということだけれど、原産種はもっと大きな花をつけるものだったらしい。

 英語ではbaby's-breath(ベイビーズブレス)で赤ちゃんの吐息だが、恋人の吐息とも解せるかもしれない。ドイツ語ではSchleierkraut(シュライアークラオト)で意味はベールみたいな草ということなので、これはすぐイメージが湧く。

 切り花としては単独で使われるよりも、花束に入れたり花瓶に活ける時に他の花と一緒にいれたりすることが多い。カスミソウが入ることで、全体がパッと明るくそして何となくハッピーな雰囲気になる。自分も十分派手なのに主役でなくて脇役として他を引き立てるのが得意という不思議な性格を持っているような気がする。
 

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 いつも花屋さんが持ってくる切り花の中にはこのカスミソウが入っていることが多い。でもカスミソウは猫のモモハルがじゃれついて花瓶を倒すこともあって、大きな安定した花瓶に入れないと危ないのだ。それをぼくが言った時カミさんが、お義母さんはカスミソウが好きだったでしょ、と云った。

 現役で仕事をしている頃は同居しているぼくの両親のことはずっとカミさんに任せっぱなしで…。ぼくも組織の中で生き残るのに必死だったけど言い訳にはならない。母がカスミソウを好きだった、そんなことも知らなかったことを思い知らされると同時に、ぼくが不在の間にカミさんが両親と過ごしてきたぼくの知らない時間が彼女の背後に立ち上がった。これからはカミさん孝行をしなければなぁ。
 
 ■ セロファンの 中の幸せ かすみ草  (椎名智恵子)
 
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coco030705

モノクロの花のお写真もいいものですね。お母さまはカスミソウがお好きだったのですね。
私、知り合いの水彩画家の方の個展にいったとき、カスミソウの花束を持って行ったことがあります。その方はその花束が気に入って、水彩画を描いてくださいました。母がその絵を買いました。まだ家にあります。
これからは、ぜひ奥様孝行をなさってくださいませ。
by coco030705 (2022-05-02 22:25) 

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