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新しい生活様式 [新隠居主義]

新しい生活様式

 先日、例の専門家会議がこの新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になるということで、新たな感染者の数が限定的となった地域でも、再び感染が拡大しないように「新しい生活様式」なるものに切り替える必要があると、その具体的な実践例を示した。

 その中には今後は仕事や人と会うのはテレワークやオンラインを基本とするようなことがうたわれていた。東京はこれからも外出自粛期間が延長されたので皆と会って飲みに行くというのはもっての外で、苦肉の策として今オンライン飲み会がはやっている。というわけでこの間昔の仲間とオンライン飲み会なるものを開催。


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 もう20年くらい前になるけど、大学の社会人講座での英語プレゼンテーションクラスの時の仲間が、今でも数年に一回くらい会って先生を囲んで飲んだりする。 

 社会人の講座なので先生もぼくより年下だけど、そんなことは関係なく話せるのが良い。今回は会って飲み会は無理と言うことでパソコンやスマホを使ってオンライン飲み会という事になった。仲間の一人がホストになってくれたのでぼくは参加者としてジョイン。

19時スタートということで、一応飲み会だから書斎の机の上に飲みかけのワインとつまみを少々用意してスタート時間を待つ。なんか飲むスタート時間を机の前で待っているというのも変な感じだ。美味しそうな餌を前に「まて!」をさせられている犬の気持ちがよくわかる。待っている間にスタート前なのについお酒に手が出たり、つまみを味見したり…。


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 8人全員が揃ったのは30分後くらい。ぼくのデスクトップにはカメラが付いていないのでラップトップの方で。一人一人の顔は小さいけど表情はわかる。音声はその時によって品質が大きく変わるらしいけど、なんとか大丈夫だった。

 先生の画面の後ろではヤシの木が風に揺れていたのでハワイにでもいるのかと思ったらヴァーチャル背景で、他にも飲み屋や豪華な書斎の背景を使っている人も居た。声のタイムラグは思ったよりもなかったけれど、二人以上が同時に話すと殆ど分からなくなるのでそのタイミングは微妙だけど、顔が見えるとなんとなくそのタイミングが分かるようになる。

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 メンバーが加わるたびに乾杯になるのは、リアルの飲み会と同じで揃ったところで各自の近況報告、ここらは比較的スムーズ。その内AさんとBさんのやり取りが盛んに行われるようになると皆も耳を傾てけているけど、そこに割って入るのはリアルよりもちょっとテクがいるかも。

 酒が入ってくると当然トイレにも行きたくなるのだけど、みんな結構途中で消えたり戻ってきたりしている。ぼくも何度かトイレに行ったが、戻ってきてみるとモモに席を取られてモモが椅子に座ってパソコンの画面をのぞき込んでいる。

 そのうち先生が最近お薦めの英語教材を紹介してくれて資料も皆の処にリアルタイムで送ってくれたりした。このシステムではホワイトボードも使えるからそういうこともできるのだ。彼は今大学で教えているが、当然学校自体は閉鎖しているのでこういうシステムを使ってオンライン授業をしているということだった。


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 離れていても飲み会だからお酒は同じようにすすむ。ぼくは今は毎晩の晩酌はやめて週に二回くらいだけ飲むようにしているのだけれど、飲みさしのワインが無くなり一杯だけタンカレージンの炭酸割を追加。で、気が付いてみるともう9時半近くになっていた。尤もオンライン飲み会の良い所は終電車を気にしないで飲めるというところかもしれないけれど、ぼくは最近は外で飲んでもせいぜい2~3時間が限度なので「お先におちま~す」と言ってログアウト。ここら辺も気楽でいい。


 というわけで、ちょっと「新しい生活様式」の一端を経験したけど、長い目で見れば飲み会は別としても人々のコミュニケーションの基本にこういうことが日常の当たり前になってくるのではないかと実感した。というよりは、今回のコロナ禍でオンライン授業やテレワークが日本は韓国や中国などと比べても周回遅れくらいの感じなのがはからずも浮き彫りになってしまった。

 今回のコロナ禍は大規模災害以上のインパクトを日本にも世界にも与えているが、その程度は国によっても大きく異なるけど各々の国の弱いところにダメージが集まり、その国の問題点が浮き彫りになるという面も持っていると思う。その意味では政治も変わらなければならない。パソコンも使ったこともないと公言するような人物が情報担当大臣になるようなお粗末な状況は、先端の専門家を大臣にそろえた台湾の体制と比べると本当に情けない思いだ。

 今回オンライン飲み会に使ったシステムはとても使いやすいものだったけれど、後で別の友人に聞くとそのシステムは中国のハッカーからとおもわれる攻撃でシステムの脆弱性が明らかになり、彼の会社では使用禁止になったと聞いてぞっとした。日本は新型コロナウイルスと同時にコンピューターウイルスやハッキングとも直面しており、こちらも待ったなしだ。今日本で国民に「新しい生活様式」が求められている以上に「新しい政治様式」が求められていると思う。


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 *専門家委員会がやはり「新しい生活様式」の指針の中で、「…後で分かるようにいつ、誰と何処で会ったかをメモにするようにしよう」といった項目をうたっていました。それを聞いて政治に疎いぼくでも思わず「おいおい、それは国民に言う前に他にきっちりと言っとくべき人がすぐ近くにいるだろうに…」と突っ込みを入れたくなりました。

 あの時の森友・加計学園問題の新聞の見出し、
"公文書クライシス / 首相と省庁幹部の面談記録「不存在」、官邸1年未満で廃棄"
をすぐ思い出したからです。国民はもうとっくに忘れたと思っているらしいのですが…。



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ナツパパ

わたしもPCを使って友人と会話をしています。
久しぶりに会う友人も結構多くて、懐かしいしし、嬉しいものですね。
遠方でなかなか会えない友人との顔が見られるのもうれしい。
慣れてしまうと、実際に会うよりハードルが下がりそうです。
by ナツパパ (2020-05-07 09:06) 

ゆきち

先日、相方がオンライン飲み会をやっていました。
バーチャル背景が自由に使えるのであれば、室内を片付けなくてよいから助かりますね!
ウィスルと共存する世界、人との距離を保ちながらコミュニケーションはしっかり取ることができる良い方法です^^
by ゆきち (2020-05-07 10:38) 

coco030705

オンライン飲み会、いいですね。モモちゃんも参加したかったのかしら、かわいいですね。
私はグループでLINEお茶会をやりました。でもLINEだと、映像が途切れたり、音声が聞こえなくなったりで、パソコンなどに比べると長時間はできませんでした。でも友人たちの元気そうな顔がみられて、声が聞けたのは、よかったと思います。
by coco030705 (2020-05-07 14:49) 

テリー

オンライン飲み会ですか、いいですね。私も、デスクトップのパソコンにカメラも、マイクもないので、その準備をしないといけません。
by テリー (2020-05-08 18:19) 

JUNKO

並んで食卓に付くのは少々抵抗があります。
by JUNKO (2020-05-08 20:57) 

mimimomo

こんばんは^^
今までオンライン飲み会って言葉は何度も聞いていましたが、どんなことなのかよく分かっていなかったです。パソコンの画面に飲み会参加者の顔が出るのですね~ そう言うシステムがあれば誰でもできるのでしょうね。勉強したいですが、オンライン飲み会に参加するほどパソコンに通じた友人が居ません(-。ー
アナログ人間ばかりのわたくしの周り(><;
by mimimomo (2020-05-08 21:27) 

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