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猫たちの夏 [猫と暮らせば]

猫たちの夏

モモR0018918.jpg


 モモは去年の夏、ぼくの六十歳の誕生日の日に家に来た。ちいさくて、掌に乗るくらいの灰色の、一見ネズミの子みたいな子猫は二年目の夏にはもう家で一番の大猫になってしまっていた。去年、冷え冷えのアイスノンを枕にレオと並んで寝ていた時の姿は、体の大きさはどう見たって倍くらいレオの方が大きかったのに、今は明らかにモモの方が大きい。もっともチンチラのレオの方は毛玉のカタマリだらけのレゲエ猫になってしまって暑さに耐えられそうもないので、先日ペット病院の先生に頼み込んでバリカンで丸刈りにしてもらって今はマルガリータ猫(もしくはトラガリータ猫)になっているので冬の時よりもずいぶんと小さく見える。

 ばあさんが入院中で家にいないので、今はクロも一緒にご飯を食べている。この夏はレオモモクロの三匹がつるんで暮らしている。午前中は一階の居間の方が涼しいのでぼくが一階でテレビを見ていると各々が微妙な距離をとって床に寝ている。気がつくと三匹の猫に囲まれている。たぶんそれはぼくが一番幸せに感じる時間だ。ぼくを含めてお互いが邪魔をしない形で、かつ自分の気ままなスタイルで寛いでいる。

 そのうちクロがぼくの所にやってきて、ニャーといいながら立ち上がって後ろからぼくの肩をたたく。ばあさんがいつも「クロが、"ねぇねぇ"ってひとの袖を引っ張るんだよ」といっていたが、確かに一日に何度かそんなことがある。たいていは、ブラッシングかご飯か、猫草の催促なのだが結構人使いが荒い。知らんふりをしていると、何回もいいにくる。そのうち根負けして「わかったよ、どうすりゃいいの?」というと、ついて来いというように振り返りながら自分の行きたい所に連れて行こうとする。

 基本的には一階はクロのテリトリーだから一階ではモモはあまりクロに逆らわない。だが、二階で餌を食べる時などはぼくが台所で猫缶を開けて餌のカップに用意をしていると、足元でレオモモが待っているがクロが入ってくるとモモが怒って追い出そうとする。二階ではモモクロに対してイニシャティブを取ろうとしていろいろとちょっかいを出すが、最後にはクロに一喝されてサイドボードの上に登ってふてくされていることが多い。レオは中立だが時々モモとはじゃあっている。クロと遊ぶことは殆どないが仲は悪くない。クロモモがアラシを吹いてにらみ合いをしている時などは、レオが覗きに来るが何をするというわけでもない、ただじっと見ている。

 モモは図体は大きくなったが、年頃としては箸が転げても面白いといったような感じで何にでも興味を持つ。モモが最近はまっているゲームがある。先日、ホームセンターのペット用品売り場で猫のおもちゃが一個100円で売っていたので、その中から猫がくわえて遊ぶ人形を買った。アヒルとカモの人形をひとつづつ。この二つの人形と前からあるネズミの人形を家の中に隠しておくとモモが見つけて得意げにぼくの処にくわえて持ってくる。その時はいつもはとちがう、ちょっとハスキーな声で「ミャオー」と鳴いて知らせる。クロレオはこの遊びには興味がないようだ。きっとモモはぼくのために遊んでやっているつもりなのかも知れない。

catlife_tampopo.gif

*この夏はばあさんが入院中なので退院して帰ってきた時のために、カミさんと一階の部屋の整備をしています。恐らくは車椅子の生活になるだろうという主治医の先生の話に従って、家の中での車椅子の動線のスペースを確保するのと、ばあさんのいない間に一階の居間や浴室の壁を塗り替える作業を連日おこなっていました。猛暑の中、ペンキだらけになって作業をしているそばからモモがいたずらをするので気を遣いましたが、先日で何とか一段落することができました。毎日ヘトヘトになって、ここしばらくの間ブログの更新ができませんでしたが、また少しづつ更新してゆきますのでよろしく。


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コメント 3

sera

きれいな独特のグレー色ですよね♪
つやがいい♪
by sera (2008-09-01 20:09) 

すずめ

猫の日常が綴られているだけなのに、読んで心がほのぼのと温かくなるのはなぜでしょう。
私ももう少しトシをとったら、猫と暮らしたいなぁと思いました。
by すずめ (2008-09-09 11:49) 

coco030705

モモちゃん、なんてかわいいんでしょう!この子がネズミくらいの大きさだったなんて、信じられませんね。3匹とも元気でよかった☆ また3匹のお写真を見せてくださいね。
by coco030705 (2008-09-14 21:43) 

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